文科省の医学部緊急調査結果から見た男女比・現浪比

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文部科学省が実施した医学部緊急調査の結果速報

東京医科大学の不正入試問題を受け、文部科学省は日本の全医学部を対象に、緊急調査を実施。
その結果を9月4日に速報値として発表しました。

詳細は内容は以下のサイトからご覧いただけます。

緊急調査結果速報

通常、男女比や現浪比を公表しない大学も公になっていますので、非常に興味深い結果となっています。

ここでは2018年の男女比と現浪比をグラフ化してみました。

2018年度入試結果 男女比

私立大学医学部 男女比

 

国公立大学医学部 男女比

各年度入試における合格率(合格者/受験者)で、男性の方が多い大学数及び割合は以下の通りです。

    • 平成30年度:81大学中57大学(70.37%)
    • 平成29年度:81大学中46大学(56.79%)
  • 平成28年度:80大学中57大学(71.25%)
  • 平成27年度:79大学中51大学(64.56%)
  • 平成26年度:79大学中54大学(68.35%)
  • 平成25年度:79大学中55大学(69.62%)

 

結果を見ると、過去5年間において7割が男性、3割が女性という結果になりました。

2018年度入試結果 現浪比

続いて、2018年度現浪比を見てみましょう。

合格者のうち現役・1浪・2浪・3浪・4浪以上の割合をグラフ化したものです。

 

私立大学医学部 現浪比

 

国公立大学医学部 現浪比

 

国立大学では現役生・1浪の割合が多く、私立大学では浪人生の割合が多くなっています。

私立大学だけを見れば、順天堂大学や慶應義塾大学では現役生が60%前後なのに対し、川崎医科大学では3.7%、岩手医科・東北医科薬科・久留米・福岡では約15%と浪人生に寛容ことが見てとれます。

まとめ

今回の結果を見ると、男女比に関してはここだけで判断するのは難しいといえます。

現浪比に関しては、医学部受験業界での通説通り、現役生に有利な大学・浪人生に寛容な大学が存在することが明らかとなっています。(今回は30年度のみですが、5年分の結果を見ても明らかな傾向がわかると思います)

今回の調査において、「特定の受験者に対して特別な加点等を行ったとの回答はなかった」としていますが、二次試験の面接・小論文において明確な得点化がなされていない大学や一次試験結果のみを開示する大学もあることから、何らかの大学側の意図的なものがあったのは事実でしょう。

ただし、今回の問題発覚や調査、批判を受け変化が出てくると考えられます。

受験生がこれに対抗する手段はただ一つ。

「点数を取り切る」

これに限ります。

一次試験において特別な加点等を行うことは、仮に以前あったとしても今後行うことは難しいでしょう。

であれば、一次試験で点数を取りきることが合格への最短距離であることは間違いありません。

 

今回の調査結果はあくまで速報値であり、これを基に各大学に対し追加の問い合わせや訪問調査を行った上で最終結果を公表することとなっています。

最終報告の結果の公表と今後の動向を見守りたいと思います。

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