医学部受験プロフェッショナル - インタビュー

医学部不正入試に負けない「合格力」の作り方

医学部受験DB編集部
最終更新日:2019/01/19

 

医学部受験予備校メディカルアーク校長 荒波賢

昨年の東京医科に端を発して、続々と表面化した医学部不正入試問題。
女子や多浪生に不利になる得点操作が行われていたのは皆さんの記憶に新しいかと思います。

そんな不利な状況のなか、多浪生の合格者を多く輩出している予備校をご存知でしょうか?

今回は不正操作に負けない合格の秘訣と、これからの受験生がどのように受験に取り組んでいくべきかを
医学部受験予備校メディカルアークの荒波賢校長に語っていただきました。

 

一次試験の点数を一律減点は驚きでした。

— まずは、医学部受験に携わり長年指導を行っていらっしゃる立場から、今回の不正入試事件に関しての率直な感想をお聞かせください。

 

東京医科の問題に関しては、もともと文部科学省官僚のご子息が、一次試験の点数が合格点が足りていないのに合格していたのが発覚したところから始まったと思うのですが、その後の調査で出てきた多浪生や女子生徒に対して一次試験の点数を一律減点を行っていたという点は驚きではありました。

昔から某大学ではそのような噂は受験業界で流れていましたし、それを踏まえたうえでどう対処していくのかということのほうが、指導する側としては重要と考えていましたので、あまり大きな驚きはありませんでした。

当校の生徒は、今回のニュースが出た後も案外落ち着いている感じですが、追加合格の影響で今年度の合格者数が減少する等のニュースにはナーバスに反応していましたが、それ以外の入試の仕組みには「そういうものかな」と捉えている様子は印象的でした。

しかし、現役生のご家庭や保護者の方のご職業が医療関係でない方の場合は、「そんなことあっていいんですか?」というようなご意見もありましたが、医療関係の保護者の方ですとそれほど動揺がある様子は見受けられませんでした。

 

二次試験はマイナスからのスタート

— メディカルアークでは、この問題で不利とされている多浪生、中でも5浪の方や10浪の方が多数合格されているんですね。どのような指導をされているのでしょうか。

 

1次試験の点数にこだわるように指導をしています。

例えば、1次試験の点数で他の受験生を引き離しているのであれば、2次試験でマイナスをされてしまっても残る可能性は高くなります。

また、多浪生や女子、特に3浪以上の生徒に関しては、繰り上がりはあまり期待せず、正規合格を目指すように話をしています。

「1次試験の点数をどこまで取れるのか?」一般入試ではそこが一番のポイントとなってきます。

以前から2次試験の面接の合否基準がよくわからない部分もあるので、特に多浪生に対しては、面接は「マイナスからのスタート」「現役生に許されることも多浪生では態度一つでも許されないことが出てくるかもしれない」と伝え、とにかく1次試験の点数は取りきろうという話は、常々に生徒には伝えています。

 

— 2次試験の合否基準が公になっていない以上、1次試験の点数を取るという事に尽きるということですね。

 

そうですね、2次試験対策に関してもある程度、対策本や面接攻略法のようなものが多数あります。

その影響からか、受験生の多くはは似たような形になり、それほど大きな違いが生じないでしょう。

きちんと対策法はあるのですが、一定の練習をして臨む受験生が多い中で、2次試験での加点を期待するより1次試験の点数にこだわりを持たせることの方が重要だと考えています。

 

今後も状況はすぐには変わらない

— 今後、医学部受験はどのように変化していくのか? これを読んでいる受験生たちはどのように取り組んで行くべきでしょうか?

 

今年度に関しては、文部科学省が不正入試の救済による定員オーバーを認め、今後複数年かけて人数を調整するとの発表をしています。

しかしながら、多浪生や女子が不利という状況が是正、または、違った形で残るといった可能性も残され、今後の動静に注目が必要です。

志望校選定に関して、多浪生や女子生徒に関しては、地方の大学を併願するように勧めています。首都圏のほうが大学も多く集まり、地方の大学と首都圏の大学を比べるとどうしても首都圏の大学に行きたいと考える生徒が多く、競争率も高くなります。

地方の大学は、首都圏に比べて入学者が集まりにくいということも重なり、男女差別・年齢差別といったことは起こりにくいかと思います。

ただし、全体としての状況はすぐにはあまり変わらないので、依然として女子多浪に厳しい状況は変わらないと思われます。

 

— 入試問題の内容に関してはいかがお考えでしょうか?

表面上の知識では無く、それをきちんと使いこなすことができるかどうか、考える力があるかどうかを問われてくると思います。

問題文をきちんと読むことができれば、それほど難しい問題では無くても、使われている日本語が難しくて何を問われているのか理解しにくい作りの問題が増えてくる可能性もあり、国語の読解力強化の必要性も出てきます。

女子生徒に対しては、理科の選択で生物を難しくして、物理を簡単することで男子が高得点となるだろうとか数学を難しくするだとか言われていますが、そういった露骨な手段は取って来ないだろうと思います。

あまり露骨に変更をするとやはり「それみたことか!」と何を言われるかわからない部分もありますので、あまり露骨な難易度変更はしないと考えています。

東京医科に関して言えば、建設中の新校舎では女子のトイレの数を増設しているなど、少しずつ女性に対する門戸も広がっていくとは思いますが、対応が遅くなる大学が出てくるなど、全てが全て広がるとは思っておりません。

大学側としても問題が大きくなっている現状では、女子もきちんと点数で取って行く形になるでしょう。

ただ、2020年にはセンター試験に変わる「大学入学共通テスト」が実施されるに伴い、それに合わせて入試傾向を大きく変える可能性も考えられますね。

来年度以降は、もう少し様子を見ながら対応を検討する必要があるでしょう。

 

医学部予備校 メディカルアーク
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